車のエアコンの効きが悪いと感じたら?原因と修理内容
2024/06/24 お役立ち情報冷房も暖房も送風口は同じですが、実はシステムが全く異なっていることをご存知でしょうか。
まずは車のエアコンの冷房と暖房の仕組みを解説します。
■冷房の仕組み
車の冷房は、圧縮されたエアコンガスが液体から気体になるときの【気化熱】を利用して空気を冷やし、冷たい風を出すという仕組みになっています。
【気化熱】は聞き慣れない言葉ですが、実は私たちの身近に存在します。
皆さんは注射を打つときに、皮膚をアルコールで拭かれてヒヤッと冷たく感じたことはないでしょうか?
これは液体のアルコールが気化するときに皮膚の熱を奪うことで、冷たいと感じるのです。
これと同様の原理が、車のエアコンにも採用されているというわけです。
■暖房の仕組み
車の暖房は、エンジンの熱を利用して温かい風を放出する仕組みになっています。
エンジンをかけると大量の熱が発生するため、冷却水を使って温度を下げます。
その後、暖まった冷却水に風を当てて暖かい空気を作り、車内に送り出すのが暖房の仕組みです。
このように、カーエアコンの冷房と暖房は仕組みが全く違うことが分かります。
車のエアコンがうまく作動しないとつい故障を疑ってしまいがちですが、実は使い方が間違っているだけのパターンが非常に多いものです。
正しい使い方が出来ているか、まずはセルフチェックをしましょう。
【使い方の間違いで多い事例】
①冷房の場合ー「A/Cスイッチ」はONになっているか?
冷房のシステムはA/CスイッチがONになって初めて作動するため、まずはここがONになっているかを確認しましょう。
A/CスイッチをONにしたらエアコンの設定温度を一番低くし、内気循環にセット、そして最大風量にしましょう。
これで冷風が出て車内が涼しくなるようであれば問題なし、改善がなければ別の原因が考えられるためこの後で解説していきます。
ちなみに、暖房使用時の場合はA/CスイッチのON・OFFは関係なく、機能してくれます。
②暖房はエンジンが温まらないと温風が出ない
冬場に温風がなかなか出てこないのはまだエンジンが温まっていないことが理由です。
走行を始めて水温計の針が上がってくるのを待ち、針が通常エリアを示したらヒーターを作動させると早く温かい風が出てきます。
③「外気導入」になっていないか?
車のエアコンには、車内に外の空気を取り入れる「外気導入」と、車内を車外と遮断し空気を車の中だけで循環させる「内気循環」の2つのモードがあります。
車は基本的に外気導入の状態になっていますが、外の空気を車内に取り込み続けることになるため、外が暑いと冷房の効きが悪くなり寒ければ暖房をつけてもなかなか暖かくならないといった問題が生じます。
そこで内気循環モードに切り替えると、外気をシャットアウトし車内の空気を循環させることで、車のエアコンの効きがよくなるのです。
注意点として、長い間内気循環の状態にしていると、人の呼吸によって車内のCO2濃度が上昇し眠気や疲労の原因となります。
休憩を兼ねて1時間に1回はドアの開け閉めなどで車内の換気をするのが良いでしょう。
【冷房不具合の事例】
■風は出るが車内が冷えない
風は出るが車内が冷えない場合、エアコンガスが不足しているか、コンプレッサーという機械の故障が考えられます。
故障かどうかを切り分けるためにも、次の①から順番にチェックしてみましょう。
①エアコンガスの不足
エアコンガスの残量は、車のボンネットを開けると見える「サイトグラス」という小さな丸い窓ガラスのような部分を見ると確認できます。
エンジンをかけエアコンをONにした状態で、サイトグラスにどれぐらい気泡が出ているかで、ガスの残量がわかるようになっています。
【気泡の量とガスの残量の目安 】
・気泡がまったくない:過充填
・気泡が時々見える:必要十分
・多くの気泡が見える:不足
エアコンガスは通常減るものではないのですが、経年による配管のひずみや亀裂などが原因でガス漏れが起きてしまうことがあります。
ガスを補充したのに数日でまた冷房の効きが悪くなってしまうような場合は、どこからかガスが漏れてしまっている可能性があるので修理が必要です。
②コンプレッサーの故障
エアコンガスの不足やガス漏れではない場合、コンプレッサーの故障が考えられます。
エアコンの起動時に「カチッ」という音が鳴る場合はコンプレッサーの故障の可能性があります。
コンプレッサーは頑丈で壊れることはあまりないのですが、電磁クラッチというパーツが壊れてしまうと修理の必要が出てくるため、業者などのプロに見てもらいましょう。
■風そのものが出てこない
風が出てこない場合は送風機モーターの故障の可能性があります。
冷房以外の他の機能でも不具合が起きてしまう状態のため、これも早めに業者に相談しましょう。
【暖房不具合の事例】
■暖かい風が出てこない
暖かい風が出てこない場合は、冷却水の不足か、サーモスタットの故障の可能性があります。
①冷却水の不足
エンジンを冷却するための冷却水が足りていないと、エンジンの熱を調整することが難しくなります。
冷却水はエンジンルームにあるタンクの「LOW」の目盛りから「FULL」もしくは「MAX」の目盛りの間に液面があれば適量なので、もし少なくなっている場合はエンジンが冷えているときに補充しましょう。
冷却水の補充で改善すれば良いのですが、冷却水が不足するそもそもの原因にはラジエーター、ウォーターポンプなど機械の故障が関係してくるケースがあります。
重大な故障に繋がる前に、早めの点検をおすすめします。
②サーモスタットの故障
サーモスタットには、冷却水の温度を検知し水温を調整する役割があります。
ここが故障すると冷却水の温度が十分に上がらなくなるため、暖房が機能しなくなるのです。
さらに、サーモスタットの故障は冷却水の温度が逆に上がりすぎてしまい、オーバーヒートになる危険も招くため出来るだけ早く修理した方が良いでしょう。
車のエアコンのどこの部分が故障しているかで修理費用は変わります。
コバック滑川店・黒部店で修理・メンテナンスをした場合の料金はこちらです。
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● エアコンガス補充 3,850円~
●コンプレッサー故障 50,000円~
●エアコンフィルター交換 4,400円~
+エバポレータークリーナー 4,400円(エアコンフィルターと同時交換を推奨)
● リレーの故障 3,000円~
● ヒューズの故障 1,000円~
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記載のないパーツの修理が必要な場合も、見積もり・ご相談の上で修理や交換を実施します!
ディーラー・販売店では、メーカーの保証期間中であれば保証範囲内で修理ができる可能性もあるため、期間を確認の上で修理の相談をするのも良いでしょう。
保証期間が過ぎている場合や保証対象外の修理となった場合は、推奨部品への交換や質の高い整備を実施すると費用が高くなることがあるため、費用を抑えたい場合は他の業者での修理も検討し、比較することをおすすめします。
整備工場は車の点検や整備、修理などが主な業務です。
メーカー・車種問わず幅広く車の修理を受け付けている点と、比較的安価に修理をしてくれるところが多い点がメリットです。
ただし整備・修理の技術は在籍する整備士次第のため、信頼性が高い業者を見極めることがポイントとなります。
輸入車・タクシーなど事業用の車まで幅広く修理が可能かどうかを確認したり、一度見積もりをお願いしてお店やスタッフの雰囲気を見たりと、様々な視点から信頼性の高さをチェックしてみることをおすすめします。
ガソリンスタンドもカーエアコンの修理を受け付けているところがあります。
しかしディーラーや整備工場と同様に設備が整っていなければ修理ができないため、設備の無い店舗では車を何日か預かって、別の工場で修理をするという方法を取っている場合もあります。
修理自体ができるかどうかと合わせて、お店に確認をしましょう。
車検のコバックでももちろんカーエアコンの修理を承っております!
エアコンの故障はその時の季節や気温により、運転自体が困難になる可能性もあります。 さらに、エアコンだけの故障だと思って修理に出したら、実は他の部品にも故障が見つかった!というケースも少なくないためぜひ早めに修理に出すようにしてください。
効きが悪い以外にも、送風口から異臭や異音がしたりと「いつもと何か違う…」と感じたら、迷わずコバックへご相談くださいね!